日本語教師体験談 (台湾台北市)

学校への応募の経緯

私は現在、夫の転勤に伴って台北で生活しており、自分の子どもが通っている台北市内の現地幼稚園で毎週日本語を教えています。

その幼稚園には日本人の生徒がうちの子たちだけしかおらず、他はみんな台湾の子どもたちです。うちの子たちは最初中国語がまったくできず、園に通い始めて数か月たってもなかなか馴染めずに苦労していました。そんな状況を園長が気にかけてくださり、「他の子たちが日本語を少し理解出来たらうちの子たちの助けになるかもしれない。良かったら日本語を教えてみないか?」と打診されたのがきっかけでした。

私はもともと日本語教師に興味があり、出産前後に通信講座で日本語教師養成講座を修了していました。その後子育てに追われて実際に生徒に教えるまでには至りませんでしたが、ずっとやりたいと思っていた日本語教師の仕事だったので、すぐにお引き受けしました。

学校紹介や仕事内容

私が教えている幼稚園は台北市内にある私立幼稚園で、もともと英語の授業が週3回あったり音楽や体操の授業もあったりする教育熱心な幼稚園です。この幼稚園に限らず、台北での教育熱は高く、幼稚園から英語の授業は当たり前、卒園後にインターナショナルスクール入学を見据えた英語幼稚園もいくつかあります。英語だけにとどまらず、子どもに日本語を学ばせたい親御さんは年々増えており、幼稚園のママ友にも「日本に親子留学したいんだけどいいところ知らない?」と聞かれたことがあります。

私は幼稚園で週3コマ、一クラスずつ日本語を教えています。具体的には、日本の幼稚園のように「おはよう!今日は〇月〇日なんようび、天気は〇です」から始まり、日本語の歌や手遊び、体を使ったゲームや知育プリントで単語やひらがなを学び、最後に絵本の読み聞かせで終わります。

台湾1の高さを誇る超高層ビル「台北101」

現地の言語は必要?

子どもに外国語を教えるには、文法の説明はいりません!なるべく日本語だけで授業するように心がけています。ただ、日本語だけで説明しても子どもたちが何をするのか理解できていなかったり、ふざけている子を注意したりするときには中国語で言うとスムーズです。本当は日本語だけの方がいいとわかっていても、つい中国語を話してしまう・・・いつも葛藤しています。

市場で買い物

こんなところがよかった

私は台北で日本語教師をしている人たちのグループに入っており、定期的に情報交換をしています。教材や教え方をシェアしあったり、悩みを相談したりして、励ましあいながら活動しています。私のように小さい子どもに教えている人も多く、みなさん同じようなことで悩んだり苦労したりされているので、いつも励まされています。

苦労したこと

私の場合は教える対象が幼稚園のクラス単位なので、一クラスあたり5人~10人強の幼児が相手です。

以前通信講座で学んだ400時間の日本語教師養成講座の内容は大人向けで、学んだカリキュラム通りに授業を進めていくとすぐに行き詰ってしまいました。子どもたちは自分の学びたいという意思で授業を受けているわけではないので、つまらないとすぐに「つまらない」というし、楽しい活動をすると歯止めがきかず教室中を走り回ります。

幼稚園の教室

先輩教師に言われてから心掛けているのは、日本語を「教えるのではなく、使う」授業をすること。
今では日本語の教科書にとらわれず、いかに楽しく日本語を使ってみんなで遊べるかを考えて授業を組み立てています。

また、幼児用の日本語テキストがないため、いつも自作のプリントや日本の幼児学習用のプリントを使用しています。
読み聞かせで使用する日本語の絵本は、買うと大変なので、図書室で日本語の本を見つけて借りています。

休日の過ごし方

台湾には美味しいものが沢山あります!台湾といえば、小籠包やタピオカミルクティー、マンゴー!どれも日本より安く食べたり飲んだりできるし、台湾茶もおいしいです。日本より高いものももちろんありますが、基本的には物価は日本より安いです。

特大マンゴー至福のひととき

台湾は外食文化が発達しており、三食外で食べる人も多いです。地元の人々に愛される朝食屋さんもたくさんあり、私のお気に入りはLocofoodというお店の台湾式クレープです。また自助餐という定食屋さんがいたるところにあり、お昼時には長蛇の列ができています。ごはん、ビュッフェ形式でおかずを好きなだけ選んで300~400円ほどで食べられます。

私の台北 お気に入りレストラン

台湾式クレープ

LoCo Food 楽口福

台北市中山區南京東路三段89巷5-4號

ただ、台北市内の家賃はとても高いです。駐在の家庭が暮らしているこぎれいなマンションは東京の2~3倍の価格といったところでしょうか?

台湾は九州ほどの大きさで新幹線を使えば端から端まで2時間ほどで行けますので、週末の小旅行で色々なところに行けます。また、台湾には温泉地も多く、台北市内にも北投温泉という温泉があり、日帰りでも入浴できます。週末や連休には、ちょこちょこと家族でいろんなところに遊びに行ったり、美味しいものを食べに行ったりしています。

北投温泉

また、台湾は東南アジアへのアクセスも良く、長いお休みの際にはアジアのビーチリゾートで過ごすこともできます。

台湾は小さな子どもにやさしく子育てもしやすいです。子どもの遊び場や公園もいたるところにありますし、子連れOKのお店だってたくさんあります。食材や日用品、衣類や雑貨にいたるまで、日本のものも手に入りやすいので、日本人の皆さんはおおむね快適に暮らしています。

これから日本語教師を目指すみんなへ

私自身幼児日本語を教えていて日々感じていることですが、これからは大人だけでなく子どもへの日本語需要もどんどん増えてきます。教育熱の高いアジア圏においては特にそう思います。

幼児日本語の需要が高まる一方、幼児日本語教師の教育はまだまだ進んでいません。日本語教師養成講座の内容は大人向けのカリキュラムとなっています。もちろん、日本語教師養成講座の内容は必須ですが、学習する中で「これは子どもにはどう対応しようか?」とちょっと考えてみるのも今後のためになるかと思います。

大変なことを先に書いてしまいましたが、子どもに日本語を教えるのはとても楽しいです!うまくいかなくて悩むこともよくあるけど、たくさん考えて準備したことが子どもたちにウケると、それだけでやって良かった~と思えます。全然話を聞いてくれないときはイラっとすることもありますが、「先生~!」と寄ってきてくれる子どもたちは本当にかわいいです。

日本語を教える仕事は、大変だけどとてもやりがいのあることですので、迷っている人は、ぜひ、挑戦してみてください!

台北市(たいほくし、タイペイ市、英語: Taipei)は、台湾島北部にある中華民国の直轄市。2019年10月時点での人口は2,646,204人であり、中華民国の首都[2]である。アジア屈指の世界都市でもある。

IT経済化、さらにバイオなどの知識集約経済化を進める中華民国では、台北を中心とした地域の重要性がさらに高まっている。しかし、台北市内には余剰空間が不足しているため都市の発展は周辺部に波及し、台北都市圏を形成している。特に台北から板橋、台湾桃園国際空港へ至る回廊は人口が密集し、移動人数に対処するため台北捷運各線や桃園機場捷運が運行しているほか、追加の路線も建設または計画されている。2015年までの台北大都市圏(台北市、新北市、基隆市)の人口は704万人を数え、香港と同規模の都市圏を形成している。日本の民間研究所が2016年に発表した「世界の都市総合力ランキング」では、世界33位と評価された。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B0%E5%8C%97%E5%B8%82

2015年度日本語教育機関調査結果

日本台湾交流協会が2016年1月~2月に実施した世論調査によれば、「最も好きな国は日本」という答えが前回2012年度調査より13%上昇して56%に達し、2位の中国の6%に大差をつけて首位を維持した。東日本大震災の発生時には、台湾から200億円を超える義援金が寄せられ、台湾からの支援に感謝を伝える数々の活動が大小問わず年間を通じて今も行われている。人物往来では、2011年のオープンスカイを受けて日台間の航空路線が20路線に拡大したことや円安などにより、2015年の台湾からの訪日者数は前年比約30%増の368万人、日台双方の往来者数は531万人となり、いずれも過去最高を更新した。良好な対日イメージを基盤として、伝統・現代両面の日本文化に対する関心、日本観光の人気は高く、日本語教育の裾野の広さを支えている。

https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/area/country/2016/taiwan.html
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