トロントで日本語教師をしてみた。世界の料理楽しんでます。

学校で働くことになったきっかけ

日本で教員をしていたときに、教員をやめて、カナダへ語学留学、そしてワーキングホリデーに行くことを決めました。同じ学校に勤務していた先生がトロントの日本人学校で先生をしている人を知っている、ということでその学校の存在を知り、その先生を紹介してもらいました。渡加後も、その学校に教員として応募するかどうかは決めきれていませんでした。というのも、教員以外の仕事の経験を増やしたい思い、教員を辞めたからです。しかしカナダで生活をしていくうちに、日本の学校と海外の学校の違いを肌で感じたいと思うようになり、応募を決めました。

仕事内容

生徒は、日本語の読み書きが分かる子たちでしたが、カナダでは日本語を使う機会があまりないのでしょう。文章の書き方が年齢相応でなかったり、言葉の使い方が微妙に違っていたりしました。間違いを訂正して、正しい日本語を教えます。

仕事が始まった時期には、カナダでもコロナがはやっていましたので、ほとんどの仕事はオンラインでした。オンライン上で他の先生と相談し、オンライン上で指導、添削をしていました。

英語、フランス語の勉強は必要?

カナダは英語とフランス語の二つの言語を公用語としている、バイリンガルの国です。スーパーに行くと、商品には必ず英語とフランス語、両方の表記があります。

そんな中でも、カナダの多くの地域では主に英語が話されており、私がいたオンタリオ州は英語が公用語でしたので、フランス語を話す必要はありませんでした。カナダには英語を勉強しに来ていて、語学学校に半年間通ったあとだったので、英語のレベルは日常生活をする上では困らないほどになっていました。

緊張しながら始まったカナダでの教員生活でしたが、生徒は全員日本語を話せていたため、仕事をするにあたって英語を話す必要はありませんでした。生徒の中には日本語をうまく話せず、英語をそのまま日本語に直訳している生徒もいました。英語を勉強しておくことで、生徒の発言をより理解できるようになると思いました。

写真は、チョコレートですが、英語とフランス語、両方で表記されていますね。

苦労したこと

仕事が始まる時期とコロナがはやり始める時期が重なったため、校舎を使うことはできず、オンラインでの授業を行いました。もともと、パソコンを使うのが苦手だったため、課題の提供、添削、指導のすべてをパソコン上で行わなければいけなかったことは大変でした。

また、生徒に直接会うことができず、画面越しの指導ということも大変なことでした。画面上の指導では、生徒が発言するときには私の声、または生徒同士が重ならないようにしなければいけません。互いの間にある空気を感じることができないので、同じタイミングで2人以上の人が発言してしまうこともたびたびありました。

生徒の反応がないときには、私の説明が悪かったのか、説明が難しいのか、Wi-Fiの調子が悪いのか・・・同じ空間にいない、ということが、何をするにも障害となっていて、直接一緒に教科書やノートを見ながらの指導ができない、というのはなかなかもどかしいものでした。

よかったところ

実際の校舎を使ったり、生徒に直接会えなかったことはとても残念でしたが、生徒からカナダでの生活、休日の過ごし方を聞くのは私の勉強にも刺激にもなりました。

また、対面でコミュニケーションをとることの難しさを学びました。講義など、一方通行型のものであれば、画面越しでも良いのかもしれませんが、双方向の意思を伝えようと思うと、画面越しというのは難しいものでした。

○世界中の料理が食べられる!

カナダは多文化主義政策の国で、建国されたのは1867年です。日本の建国は紀元前660年といわれていますから、カナダという国がどのくらい新しい国か、というのが分かりますね。そんな新しい国・カナダは、移民が多く、国民のバックグラウンドも様々です。そして英語とフランス語以外でカナダで使用されている言語数は215と言われています。それだけの国から人が集まっているのですから、世界中いろんな国の料理が、本場の味で楽しむことができるのも納得ですね。ベトナム料理、メキシコ料理、トルコ料理、ギリシャ料理、ジャマイカ料理・・・休日には、とにかくいろんな国の食べものを楽しみました。

ケベック・モントリオール小旅行

2019年の冬に、モントリオールへ旅行に行きました。北米のパリとも呼ばれるモントリオール。フランス人によって開拓された都市です。カナダのほとんどの地域では英語が公用語ですが、モントリオールがあるケベック州ではフランス語が公用語です。

滞在期間に、マクドナルドに立ち寄ったときです。カナダのマクドナルドでは、注文したときに表示される番号を覚えておき、店員さんが番号を読み上げたときに商品を取りに行くシステムなのですが、モントリオールのマクドナルドではフランス語で番号が読み上げられていました。英語を勉強するだけでいっぱいいっぱいの私は、たかが数字、ですがフランス語まで勉強する余裕はなく・・・店員さんに、フランス語は話せないことと、自分の番号を英語で伝えます。しかし、店員さんには英語が通じず・・・トロントでは公用語である英語が、同じ国の中でも通じなくなる地域がある、ということに大変驚きました。その店員さんは、奥から他の英語が話せる店員さんを呼んできてくれ、無事商品を受け取ることができたのですが、モントリオールではフランス語が公用語、ということを改めて感じた出来事でした。

左の写真は、あの有名なノートルダム大聖堂です。右は、モントリオールの街です。きれいですね。

トロントおすすめグルメ

カナダの料理といえばプーティンとBBQといわれているくらい、カナダにはオリジナルの料理、というものがありません。ちなみにプーティンとは、フライドポテトにグレイビーソースといわれるソースと、チーズをかけたものです。味はグレイビーソースの味で、好みの味ではありませんでしたが、「せっかくカナダに来たから!」という思いで、いろんな場所でプーティンを食べました。唯一、「またこのプーティンを食べたい!」と思ったのは、先ほどあげたモントリオール旅行のときのものでした。プーティンはケベック州発祥の料理、ということですから納得ですが、そこで食べたプーティンは格別でした。

写真は、左がプーティン、右がフィッシュアンドチップスです。真ん中はサラダです。

どんな国の料理でも、本格的なものが食べられたここカナダでは、自国オリジナルの料理が普及するよりも先に、世界のいろんな料理が出回ったのかもしれませんね。ということで、プーティンの次にあげるおすすめグルメは、先ほどもあげた「世界各国の料理」でしょうか。トロント市内には、その国の料理や、その国の人たちが住んでいる地域がいくつかあります。イタリア料理が楽しめる「リトルイタリー」という地域。ギリシャ料理が楽しめる「グリークタウン」。ジャマイカ料理が楽しめる「リトルジャマイカ」。他にもいろいろあります。

写真は、メキシコ料理のナチョスと、珍しい野菜です。なんという名前かはわかりません・・・

これから日本語教師を目指すみんなへ

日本語を教える、というのは、普段私たちが何気なく使っている言語を見直す、とっても良い機会となりました。

たとえば「は」と「が」の使い分け。一見、同じ「助詞」のようですが、日本語が第一言語でない方たちからすると、その使い分けはとても難しいようです。そして、どうして「は」でなくて「が」を使うのか(逆もしかり)を説明しようと思っても、どう使い分けたら良いのか説明できませんでした。他にも単語、たとえば「肌(はだ)」、「皮膚」、「皮(かわ)」なども、それぞれどのように違う?と聞かれると、はじめは困ってしまったものでした。

そして、日本語と向き合うことは、英語を勉強している私にとって「言語を学ぶ」ということをさらに面白くしてくれました。

日本を出る、ということは、現地の人、文化、食べものと触れ合える、絶好の機会です。日本を外から見る機会。好奇心と機会があれば、ぜひいろんな国に行き、国の違いを肌で感じたいものですね。私も、今後また他の国へいけるようになったときには、違う国へ行ってみたいと思っています。

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