応募の経緯
湖北文理学院に来て二年が経ちました。三年目を契約するかどうかという時にコロナがやってきました。 私は、色々な場所での生活を経験したいということで、二年間同じところで働くと次の場所に行くというスタンスで働いています。しかし、コロナの影響もあって湖北文理学院ではもう一年契約を延長しようと思っています。
湖北文理学院に来る前に働いていたのが湖南省にある南華大学という大学でした。そこで二年間働いたので、自分の決めた二年ルールで次の場所を探そうということで、仲介業者に新しい大学の紹介を頼みました。そこで紹介されたのが湖北文理学院でした。本当はもう少し南のほうへ行きたかったのですが、条件も悪くなく、湖南省から距離も近く、引っ越しの手間がかからない事と、大都市である武漢に出やすいということで湖北文理学院にお世話になることに決めました。
コロナ禍において武漢に近いというのはメリットではないのですが、当時はそんなこと知る由もありませんでしたし、便利さも考えお世話になることにしました。
学校紹介や特徴
湖北文理学院は襄陽の町の郊外の隆中というところにあります。隆中は三国志の時代に諸葛孔明が劉備玄徳から三顧の礼を受けた場所として有名です。そういうこともあり、湖北文理学院は諸葛亮が勉強した場所にある大学というキャッチフレーズを使っています。
大学のキャンパスは細長く、学生たちの暮らしている新区と日本語学科がある旧区に分かれています。新区から旧区までは歩くと30分ほどかかります。そのため大学内では、10人ほどが乗れるオープンタクシーが走っています。
オープンタクシーに乗れない時には学生たちは歩いて教室にやってきます。暑い夏や寒い冬は授業に来るだけで大変です。
中国の日本語学科あるあるかも知れませんが、80%が女子学生です。年度によっては男子学生が一人しかいないクラスも存在します。
多くの学生は子供のころに日本のアニメを見ていた学生たちが多く、中にはネット通販でアニメのキャラクターが着ている制服を買って、それを着てくる学生がいたりします。
日本の制服は日本語学科の学生だけではなく、ほかの学科の学生も来ているので、流行りなのかもしれません。
湖北文理学院のクラスは大体1学年2クラスで年度によって変わりますが、1クラスは少ない時で20人、多い時で30人程度です。
日本人教師は主に会話のクラスと日本概況や新聞購読などを担当します。会話は1~4までの四段階になっていて、一年生は会話1と2、二年生は会話3と4になっており2年間で会話の授業が完了するようになっています。
日本人教師の授業はすべて日本語で行う事になっており、一年生に関しては、日本語の基礎を学び終わった第1学期の半ば頃から日本人の授業が始まる事となっています。
三年生になると新聞購読や日本概況など高度な日本語を扱う授業が始まります。ただし、年度によってはこれらの授業は日本人が受け持たないこともあります。
感動したこと
中国では学生と先生も大学内に住んでいることが多く、学生との距離が近いというのが特徴であるような気がします。
昼や夜に食堂に行けば、そこで学生たちに出会うこともあり、学生たちと一緒に食事することも日常茶飯事です。
大学の構内には様々なお店があり、買い物中に学生たちが声をかけてくることもあります。
そんな中で、週末になると学生たちと市内に出かけたりすることもありますし、学生たちを宿舎に招待して日本食をふるまったりすることもあります。
写真にもありますが、誕生日にはケーキを持ってきてくれたりもします。日常生活の中で日々の学生たちとの交流が感動を届けてくれます。
授業では話すのが苦手だと思っていた学生でも、授業外で出会うと、気さくでよくしゃべることに気が付くなど、日々の生活の中で様々な感動や発見があります。
学内で行われるイベントでは学生たちが企画や出演するライブで一緒に盛り上ることもあります。
こういう学生たちとの何気ない日々が本当に楽しく感動的です。
中国語は必要?
中国語に関しては授業を行う上では全く必要ありませんが、生活の上では中国語が必要な場合もあります。襄陽は大都市と言えるような規模ではなく、外国人の少ない街です。そのため、英語が通じることも少なく、日本語はもちろん理解してもらえません。ある程度簡単な中国語は話せているほうがよいでしょう。私の場合はある程度中国語が話せるので生活での不便はありません。
学生に対しては日本語だけしか話さないほうが良いという話もありますが、女子学生の割合が多く、控え目な学生も多いため、中国語が使えることで学生たちが恥ずかしがらずに話してくれるというメリットがあるように思います。私の場合は中国語で話しかけられても答えは日本語で返すようにして、とにかく日本語を聞いてもらって耳に慣れてもらうように心がけています。
苦労した事
これは中国のあるあるかも知れませんが、予定があってもとにかく直前まで決まりません。ひどいときは当日に予定が決まるということもあります。そのため、こちらが予定していた旅行が潰れたこともあります。それから湖北文理学院は夏休みの7月と8月には給料がなく、その分大変です。
休日の過ごし方
休みは市内に買い物に出ています。大学は町の郊外にあり、市内にはバスで1時間ほどかかるため週末にしか市内に出ることはできません。そのため、週末に1週間分の物を買うことが多いです。
幸い襄陽には日本の物が買えるスーパーがあり、お金を出せばそれなりに日本の食材などが買えるので食に関しては自炊すれば困ることはありません。
たまには、学生たちにカレーやとんかつなどをごちそうすることも楽しみの一つです。
授業の受け持ちによっては、3連休や4連休になることがあり、その時は高速鉄道で旅行に出かけることもあります。
住居については大学構内の無料の教師部屋を大学側が準備してくれます。寝室、リビング、厨房、ユニットバスとなっていて、一人で住むには十分です。ただ、大学が郊外で回りが山に囲まれているので、虫が多く窓を閉めていてもどこからともなく虫が入り込んでくるので、虫除けグッズが必須です。
これから日本語教師を目指すみんなへ
海外での日本語教師の仕事は苦労もありますが、日本では味わえない楽しさもあります。
基本的に先生も学生も大学の中で生活しており、学生たちとの距離が近く、授業を離れれば友達のように付き合えることも大きな魅力だと思います。
後は学生たちと生活を共にしながら日々成長している姿を見ていけるこの仕事の楽しさを感じてもらえたらと思います。
まずは、勇気を出して一歩踏み出してみて欲しいと思います。
襄陽市(シアンヤンし、じょうようし)は、中華人民共和国湖北省に位置する地級市。2010年12月、襄樊市から襄陽市に改名された。旧名・襄樊の名は、襄陽、樊城から得ている。漢水(漢江)の重要な内陸河川港。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%84%E9%99%BD%E5%B8%82