中国日本語教師体験談 大学日本語教師(広東省中山市)

<応募の経緯、きっかけ>

大学時代、中国・南京のある大学に訪問して以来、何となく「将来中国で日本語教師をしたいな」と思っていました。そして大学院在籍中、指導教官の先生から偶然ご紹介をいただいて、「これは!」と思いました。それまで日本語教師の「資格」は持っていましたが(大学院(修士)で日本語教育専攻、日本語教育能力検定試験合格)、「経験」はありませんでした。そのことをお伝えしましたが(私が応募した当時は)OKとのことだったので、応募させていただきました。大学院の休学期間の関係で3年間のみの勤務でしたが、応募してよかったなと思います。

<現在の学校紹介や仕事内容>

中国・広東省の中山市にある大学です。中山市の中心地から、タクシーで10分ほどの場所です。近くにスーパーやショッピングモールもあり、2020年4月現在、大学のすぐ近くにさらに大型の複合商業施設(?)の建設が進んでいます。

 仕事内容は、私は3年間で「会話(1、2年生)」「ビジネス会話(4年生)」「日本文化(1年生)」「作文(3年生)」の授業を担当させていただきました(学年は私が担当した当時のもので、その後カリキュラムの変更が行われているかもしれません)。日本人教員は他にも「聴解」の授業を担当することもあるそうです。基本的に、授業内容(教材、評価方法など)はそれぞれの教師にすべて任せられていました。授業以外に、学校内のイベント(学生の演劇大会など)への参加、学校外で行われるスピーチ大会のための指導、作文コンテストのための指導、などを担当させていただきました。

<語学は必要?>

中国語は、もちろんできるに越したことはないと思いますが、「絶対に必要」というわけではありません。私は授業でも基本的に日本語のみ(補助として英語や中国語の単語を予習)を用いて行っておりました。WeChatも翻訳機能が十分ありますので。

ただ、外国語学院の事務局の方との連絡があるため、(中国語でのコミュニケーションが難しい場合)英語はある程度必要かと思います。

<こんなところがよかった>

・他の先生方が、授業や手続きの面でいろいろと補助をしてくださいました。私は中国語ができないので日本語でのコミュニケーションでしたが、スムーズに対応していただきました。その他、いろいろとご相談も聞いていただきました。

・「現在の学校紹介や仕事内容」でも述べましたが、基本的に授業内容などはこちらがある程度自由に決められるので、やってみたい方法、内容などを行うことができます(もちろん、事前に学生や他の教員に確認をお願いしますが)。

・個人的なことですが、大学院の研究のために学生にインタビューなどの調査を許可していただいたことは非常に助かりました。

・これも個人的なことですが、広東省は冬でも暖かいので寒いのが苦手な私にとっては良かったです(ただし、部屋に暖房がないところが多いです)。春節を迎える冬休みには帰国することもできますが、私はずっと中山市に残っておりました。

<苦労したこと>

・どんな教育機関でも同じだと思いますが、学生のレベルや意欲に差があることです。学生の様子をよく見て授業を考えて行う必要があります。

・(感じ方の個人差はあるでしょうが)「日本では、ちょっと非常識だと考えられること」に対して、どこまで、どのように伝えるべきか、も悩みました。

・これも文化の違いですが、「事前に計画を綿密に作成して行う」というよりは「まずやってみる」という文化が授業内外で見られました。これらに対してどのように向き合うかも、大切な点だと思います。

<休日の過ごし方や住居について>

・住居は、私は学校の敷地外の寮(アパート)を使用させていただきました。1人で住むなら全く問題はありません。時々断水や水漏れなどのトラブルがありましたが、まあそれも海外暮らしの楽しみの1つということで…。冷蔵庫、電子レンジ、ケトル、オーブントースターはありますが、IHのクッキングヒーターや調理器具などは自分で用意する必要があります(ネットショッピングで買うのが良いと思います)。歩いて10分ほどで小さなショッピングモール、20分ほどでもう少し大きなショッピングモールがあります。

・休日は、基本的に授業準備や宿題の採点などをしていました。学生と外食したり遊びに行くこともありました。また、論文を書くこともありました。それぞれがしたいことをするのが良いと思います。

<これから日本語教師を目指すみんなへ>

まだまだ経験の浅い私ですが、ここでの生活で感じたことを…。

・生活でも授業でも、「分らないことは学生にどんどん聞く」のが良いと思います。そうすることで学生とのコミュニケーションの機会も増えますし、相互理解も進むと思います。中国独特の考えや文化もあるので、学ぶ姿勢を大切にすることが必要です。

・「日本語教師・日本語教育」以外の“武器”を持っているのは、教師としても人間としても魅力的だと思います(私は少ないですが、“武器”を持っている他の先生を見てそう感じました)。できれば、日本文化に関係するものが良いと思います。

・(どこかで見た言葉ですが)「“friendly”であることは大切。でも“friend”ではない。」これは大切だと思います。学生との関係性、距離感は大切だと思います。

・いろいろと大変なこともありますが、きっと良い経験になると思いますよ!!

卒業式

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