応募のきっかけ
もともとは香港での日本語教師の仕事を探していました。
ずっと香港が好きで何度も旅行に行っていたのですが、物価が高く、部屋も共同生活で住環境があまり良くない。さらに日本語教師の求人条件も良くない、などの理由で応募に踏み切れずにいました。
そんな時に何十回目の香港旅行で、深センに遊びに行かないと誘われたのがきっかけで、香港から電車で深センに遊びに行きました。
実は10年前にも、同じように香港から電車で新鮮に日帰りで遊びに行ったんですが、危険な場所だから気をつけて、スリやひったくりがたくさんいるからと注意されて、めちゃくちゃびびってました。
実際に行ってみると、10年ぶりの深センは何もかも違いました。見上げる高層ビル群きれいな地下鉄、そして優しい人々
住みやすいそう! ここに住みたいな
と強く感じました。
深センの日本語教師の求人情報検索すると、香港よりも給料などの待遇は下がるけど、定時で帰れる、1年間のうち3ヶ月の休暇があるなど、とても魅力的なものでした。
そして2週間後に応募。2回の電話面接を経て、すぐに内定をもらいました。
それからちょうど1年が経ちますが、自分の仕事に対する優先順位をよく考えて、深センで働くことを決めて本当によかったです。
いつでも香港に遊びに行けると思って深センで暮らし始めましたが、予想以上に快適で、実際に香港に行く事はほとんどありません。
仕事について
現在は深セン市内の3年制専門大学で働いています。日本にはない種類の学校なので説明が難しいですが、短大と専門学校のあいだといった感じです。
今の学校で快適なところは、授業時間以外は全て自由なこと。
勤務時間が決められておらず、時間割りどおりに教室に行って授業をするだけ。授業準備や課題の添削など、家やカフェなど好きな場所で仕事ができます。
自由度が高くて快適です。
それから、サークルみたいな課外活動も面白いです。授業が終わった後に学生に誘われて、日本語学習のサークルにたまに参加しています。
自由参加で、意欲の高い学生が集まっているので、とても楽しいです。
現在の担当の学生数はおよそ200人。かなり多いので大変です。
私にしかできない日本語の指導や授業、どんな話をしたら学生に面白いと感じてもらえるのか、を常に意識して授業をしています。
中国語は必要?
私は中国語ゼロで深センで働き始めました。電話面接でそのことは伝えましたが、中国語の能力は特に問われませんでした。
授業や同僚との会話は日本語で、事務室やオフィスでの会話は英語です。
中国語は学生の前では話さないでねと言われているので、ほぼ必要ありません。
しかし日々の生活では必要です。レストランで注文する時とかタクシーに乗った時とか。
そのときも写真つきのメニューを指さししたり、身振り手振りで何とかやっています。
深センの人はみんな優しくて、言葉がわからない私がなにを言いたいのか、一生懸命聞いてくれようとします。今のところ大きなトラブルはありませんが、もっと快適に暮らすために、日常会話から中国語を勉強しています。
深センの良いところ
深センの暮らしやすいところは、みんな地方から出てきた人なので、あなたもわたしもよそ者だから一緒に頑張ろうねとあたたかく受け入れてる雰囲気です。
みんな地方出身で訛りがあるので、こちらの中国語の上手い下手も気にしないところもありがたいです。そしてお金を稼ぎにに出てきているので、労働意欲がとても高く、サービスや対応などがとても丁寧で優しいところです。
深センはWeChatで有名なテンセント本社やファーウェイ本社もあり、IT城下町として日本でも知られています。
だけど、実際に生活している人々にとって、深センはは世界的な大都市と言う感覚は全くなく、ちょっと便利な地方都市といった感覚です。
キラキラの街並みとは対照的に、この飾らないおおらかな人たちが好きです。
大変だったのは、病院に行く時
深センで暮らし始めて半年くらい経ったころ、どうしても具合が悪くて耐えきれず、英語が通じる外国人専用の高級クリニックに行きました。簡単な問診と薬の処方で、高いだろうと覚悟していましたがまさかの1800元(約27000円)
それから元気になったのでもういいやと思い、同僚に笑い話として話すと「中国人の日本語教師や優秀な学生を通訳として連れて行って、ローカルの良い病院に行けばそんなに高額になる事はなかったのに! 今度からはすぐに相談してね!」とたいそう心配されました。
こういう優しさが好きです。
その後、2回病院に行きましたが、職場の先輩に相談して付き添ってもらい、地元の大きい病院に行きました。その時は同じような治療と処方で100元(約1500円)ほどでした。
中国での生活は、言葉の壁や文化の違いなどがたくさんあり、1人で解決できることほとんどありません。
困った時は信頼できる周りの人にすぐに頼る。日本人は遠慮したりなかなかできませんが、中国で生活するために、人に頼むことはとても大事です。
休みの日の過ごし方
休みの日はショッピングモールに出かけたり、カフェに行ったりして勉強や読書をします。
中国には、ユニクロ、無印良品、ZARAなどがあるので洋服は日本と同じようなものを買います。
食事は日本食屋や高級レストランに行くと高いので、近所の定食屋さんで済ませます。好きなおかずを選んで組み合わせたり、手打ちの麺とだしの効いたスープで15元(約220円)くらい、安くて美味しいので十分です。
日本語教師を目指す人へ
私が中国での日本語教師という選択をしたのは、今にとって快適な働き方ができる場所を比較検討した結果です。
中国にはほとんど来たこともなく中国語も話せませんが、日常生活におけるIT化が進んでいてスマホアプリで買い物やデリバリー、タクシーを呼んだりもできるし、アリペイやウィーチャットペイなどのQRコード決済はどこでも使えます。
スマホアプリやQR決済で買い物をすればお釣りを間違えることもないし、記録が残るのでトラブルがないのも暮らしやすいポイントです。
日本語学習者が世界で1番多いのはここ中国、日本語教師の求人数も多いです。
語学学校や高校や大学、インターナショナルスクールなど、事業形態も選べるのも魅力的かなと思います。
中国のなかでも深センは特に地元の人がいないのでお互いに優しくする気風、人のことを気にしないなど、マイペースでのんびり働きたい人に向いていると思います。