日本語教師体験談 (ドバイ)

世界の日本語教師体験談

アラブ首長国連邦のドバイで日本語を教えている、めいです。普段は一般企業で勤務をしながら、退勤後の夜の時間と週末を使い、個人で日本語のレッスンをしています。

【経緯、きっかけ】

元々のきっかけは、既に日本語教師をしていた友人に誘われたことでした。「日本語を勉強したい生徒がいるが、自分だけでは手が回らない。君にとても向いていると思うが、やってみないか?」と声をかけてもらったのです。

私は日本語教師の資格は持っていませんが、大学時代は言語学系の勉強を専門にしており、また、塾講師のアルバイトを長く続けていたため、それを知っている友人が「向いているのではないか」と誘ってくれたのです。

日本語を話せることと教えられることは全くの別物だろう、大変ではないか、と思いつつも、友人のアドバイスを仰ぎなから挑戦することにしました。やってみたら確かにとても楽しく、自分に合った仕事だと感じられたので、徐々に生徒さんを増やして行きました。今ではすっかりライフワークとなっており、誘ってくれた友人に感謝です。

【探した方法】

最初の生徒は友人からの紹介でしたが、それ以降はインターネットで生徒さんを募集しました。使ったサイトは「My Private Tutor」というサイトです。個人で活動しているチューターと、個別指導を希望する生徒さんのマッチングをするサイトです。

(https://www.myprivatetutor.ae/)

指導歴や指導方針、訪問可能地域などのプロフィールを登録しておくと、興味をもってくれた生徒さんから連絡が来ます。有料サイトですが、そのぶん真剣な生徒さんばかりと出会うことができるサイトだと感じています。

【仕事内容】

ドバイは国際都市です。世界中から人が集まっている街のため、私の生徒さんも多国籍。現在はトルコ人、スリランカ人、インド人、マレーシア人の生徒さんがいます。その一人一人に対し、マンツーマンのプライベートレッスンを実施しています。週に1回、2時間のレッスンです。

授業は、きっと皆さんもご存知の「GENKI」というテキストをベースにしており、それを生徒さんに合わせてアレンジしています。

まずその日のテーマとなる文法・構文を解説し、生徒さんの興味に合わせた例文を作り、練習してもらいます。生徒さんは皆、日本に興味を持ったきっかけが何かありますので、それにちなんだ単語や人名を例文に組み込むことで、楽しく学べる工夫をしています。例えば、アニメ、歴史、テレビドラマなど。

私の場合、生徒さんは全員が社会人なので、宿題は出さず、レッスン内だけで勉強が完結するようにしています。その代わり、毎回レッスンの最初に「前回の復習」の時間を設け、理解の定着をはかっています。

場所については、女性の生徒の場合は自宅にお邪魔しますが、男性の生徒の場合は、カフェでレッスンをしています(当方は女性)。ここはイスラム教の街のため、たとえ異教徒同士であっても、女性が男性の自宅にあがることは良いことではありません。余計な誤解や不評を避けるためにも、カフェでレッスンするようにしています。

【指導言語】

 指導に使う言語は、英語です。ドバイはアラブの街ですが、国際都市のため、英語が共通言語です。アラビア語は不要です。生徒さんの出身もバラバラで、共通言語は英語しかありません。生徒にも私にも、お互いにとって外国語である英語を使い、指導をしている形です。

【よかったこと】

よかったことは、日本に興味を持ってくれている人が、こんなにも世界中にいるのだと知ることができたことです。ドバイには世界中から人が集まっているため、私の生徒さんも多国籍。大きな世界地図に、あちらにもこちらにも温かい輪が広がっているように感じられて、とても嬉しいです。

自分の言語や文化を「外側から」客観的に見つめ直すことはとても面白い体験です。インド人にとっては日本のこんな部分が不思議なんだな、トルコ人にとってはこんな習慣が新鮮なんだな、といった発見があります。

また、彼らとの会話を通じて、日本の文化やコンテンツ産業が各国にどのように輸出されているのかを知ることも多く、ビジネス目線での発見もあります。例えばスリランカでは、日本のテレビドラマの輸出が、韓国ドラマに匹敵するほど盛んだそうです。これは嬉しい発見でした。

【苦労したこと】

苦労したことは、授業の準備です。当たり前に必要な努力ですので、わざわざ特筆することではないのかもしれませんが、自分にとっては理屈ぬきに話せる日本語を、外国人に論理的に解説するためには、予習が欠かせません。例えば、なぜ「暑いでした」は間違いで、「暑かったです」が正しいのか?このような、自分にとっては感覚で理解できることを、相手が理解できるように説明するための準備を毎回がんばっています。

私は日本語教師になるための訓練を受けていないため、なおさら予習が必要だと感じて準備に取り組んでいます。

【休みの日】

 お休みの日は、よくドライブに行きます。ドバイには砂漠も海も大都会もありますので、その日の気分で行きたいところに愛車を走らせます。夏は50度近くまで気温が上がるため引きこもりがちになりますが、冬の間はとても爽やかで最高です。

時には、文化交流サークルの方々と日本文化イベントを開催することもあります。習字体験、浴衣の着付け体験を、ドバイの各地で開催しました。省庁に出向いて開催したこともあります。

現在は、コロナの関係でこういったイベントを長らく開催できていませんが、状況が落ち着いたら、また開催できたらいいなと思っています。

【生活編】

自宅はワンルームマンションです。30階建てのマンションの12階で、一人暮らしをしています。周囲は高層ビルだらけで、ドバイのランドマークである世界一高いビル「ブルジュ・ハリファ」も見えます。夜景が美しく、とても気に入っています。

【現地のグルメ】

ドバイではレバノン料理が美味しいです。「ドバイ料理じゃないの?」と思われるかもしれませんが、実はドバイの地元料理はあまり有名ではありません。食べられるお店も少ないです。その代わり、アラブ料理の代表であるレバノン料理が、最も広く愛されています。

ドバイらしいオシャレな高級店で食べるのもいいですが、私のオススメはアラブのストリート・フード「シャワルマ」(ピタパンで肉や野菜を包んだもの)です。手頃に食べられる、誰もが大好きな庶民の味です。ドバイにいらしたら、ぜひ食べてみてください。

【日本語教師を目指すみんなへ】

「日本語は日本でしか通じない」「日本経済は衰退期。企業からの日本語話者の需要は先細り」そんなことが言われる昨今、確かにそれは事実だと思います。しかし、企業からの需要は絶対にゼロにはならないし、言語を学ぶモチベーションは、経済だけが理由ではないことは明らかです。文化や歴史、マンガ、ドラマ、J-pop、日本式の教育やマナー観。さまざまな動機から、日本語を学びたいという方が世界中に大勢いらっしゃいます。その気持ちを真正面から受け止めて架け橋になることは、とてもやり甲斐を感じられます。

また、生徒さんの目を通じて、日本という国、日本語という言語、日本という社会を客観的に見つめ直すと、自分の祖国なのに新たな発見が必ずあります。

とてもやり甲斐のある、そして飽きることのない仕事です。是非、チャレンジしてみてほしいなと思います。

ドバイは、アラブ首長国連邦を構成する首長国の一つ。また、ドバイ首長国の首都としてアラビア半島ペルシア湾の沿岸に位置する、アラブ首長国連邦第2の中心都市。人口は約331万人(2019年9月時点)[1]

中東屈指の世界都市並びに金融センターであり、21世紀に入ってから多くの超高層ビルや巨大ショッピングモールを含む大型プロジェクトが建設されるなど、世界的な観光都市となっている。首長はムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥームであり、アラブ首長国連邦の副大統領首相も兼任している。連邦首都アブダビ市を擁するアブダビ首長国がアブダビ市以外にもいくつかの市によって構成されているのに対し、ドバイはドバイ市のみで首長国を構成する、事実上の都市国家である。ただし、首長とは別に市長が置かれ、主に民政を担当している。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%90%E3%82%A4

アラブ首長国連邦 日本語学習者数

最新動向

 最近、日本のアニメ、マンガなどの影響により、若年者を中心に独学を含めて日本語学習者は増えている。 日本語学習への需要は年々高まっており、2016年1月からハリーファ大学で、2016年8月から石油大学で日本語授業が正規科目の授業として開始された。

https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/area/country/2016/uae.html
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