日本語のN3,N2で学習者の頭を悩ます、にかけて/にわたって/を通じて/を通して の違い、本当に微妙な違いでうまくせつめいしにくいですよね。ちょっとここで、各文法を整理してみましょう。
~から~にかけて
<作用>
〇大まかな範囲を表す。
<例文>
・東北から北海道にかけて、大雪が降った。
・このスマホは60代から70代にかけての高齢者に人気がある。
・今月から来月にかけて、外国人観光客が増える見込みだ。
・腿からひざ下にかけて痺れがとれない。
※“~から”のない文もあり。
~にわたって〇〇
<作用>
ある期間、範囲に~
<例文>
・かれはこの5年にわたって研究した成果を発表した。
・山岳部全域にわたって、この植物がとれます。
・彼女はすべての項目にわたって、熟知している。
・2時間にわたる国際会議が行われた。
~を通じて〇〇
<作用>
区切りの明確な期間や範囲でずっと変わらずある状態・状況
<例文>
・この島は一年を通じて波が穏やかで、泳ぐことができる。
【×】この島は一年にわたって波が穏やかで、泳ぐことができる。
・かれは生涯を通じて砂漠地帯の緑地化の研究に没頭した。
・深センは一年を通じて南国特有のフルーツが食べられる。
~を通して〇〇
<作用>
一定期間で終始/費やして〇〇
<例文>
・一昼夜通して、この小説を読破した。
・この作品は4か月を通して作成された。
比較してみました
いかがでしょうか。こうしてみると「~にわたって」が一番使用範囲が広いようです。
まとめ
☆にかけて→大まかな範囲に
☆にわたって→ある期間・範囲に
☆を通じて→明確な期間・範囲でずっと同じ状態、状況
☆を通して→一定期間 で終始/費やして